顕微鏡と長く培ったノウハウを駆使。洞察力と細かな観察力で病気を見つけ出す検査領域です!
尿検査では、尿成分を試験紙で検査する尿定性検査、尿中の有形成分を顕微鏡で見る尿沈査検査を行います。
- 尿定性検査(尿試験紙法):尿試験紙を用いて尿中の蛋白、糖、潜血などの成分を調べることにより腎・泌尿器系のみならず肝疾患や糖尿病などの疾患の有無を推測することができます。
- 尿沈渣検査:尿中に出現した血球類、上皮細胞、円柱類、微生物や結晶などの有形成分を自動分析装置で分析し、異常な細胞は、技師が顕微鏡で鏡検して腎・泌尿器系の病変の有無を確認します。
便検査では、便中のヘモグロビンを測定する検査、寄生虫検査を行います。
- 便ヘモグロビン検査:糞便中に血液(ヘモグロビン)が含まれているかどうかを検査することで大腸など下部消化管からの出血を調べることができます。主に大腸がんのスクリーニング検査として用いられます。
- 寄生虫検査:糞便中に排泄された虫卵を検出し、大きさや色、形を観察して寄生虫の種類を鑑別することで疾患の原因が追究できます。虫体からDNA抽出を行い、LAMP法にて同定する検査の研究も行っています。
脳脊髄液検査は、髄膜炎や脳炎などの中枢神経系疾患を診断する上で重要な検査であり、くも膜下出血や脳腫瘍などの診断にも利用されます。細胞数や種類、生化学成分を迅速に測定することで病態の早期診断、早期治療に役立てます。
最近では、14種のウイルスおよび細菌、真菌の核酸を同時検出することが可能な全自動多項目遺伝子検査を導入しています。
穿刺液検査では、心膜腔、胸腔、腹腔、関節腔などに貯留した液を穿刺して採取された検体を検査します。この穿刺液が炎症に起因する滲出液なのか、非炎症性の成因によって貯留する漏出液なのかを鑑別するために外観、比重、蛋白、細胞数や種類、生化学成分を調べます。関節液検査では、結晶の同定により痛風と偽痛風の鑑別ができます。
一般検査は、顕微鏡と長く培ったノウハウを駆使し、洞察力と細かな観察力で病気を見つけ出す検査領域です。まさに職人技といえる分野ではありますが、近年では検査の自動化が進むほか、網羅的な遺伝子解析による病態解析も進んでおります。