埼玉医科大学病院 臨床検査医学 (中央検査部)

生理機能検査室

臨床検査技師が患者さんに直接接して検査を行う部門です

生理機能検査室は、循環器検査、呼吸機能検査、神経生理検査、超音波検査の4つの部門から構成されます。検査受付から結果報告まで、部門端末から行えるシステムを構築運用し、電子カルテから動画を含む全ての画像、波形、報告書などを閲覧することが出来ます。
 種認定資格をもつ多彩な臨床検査技師が在籍し、自己研鑽に努め、患者さんの診断や治療に役立つ情報を正確に提供できるよう、日々努力しております。生理機能検査に興味をもち、学習意欲のある方のご参加をお待ちしております。

  1. 超音波検査士(循環器4名、消化器7名、体表臓器7名、泌尿器2名、血管1名、健診2名)
  2. 神経生理学会認定技師(脳波1名、筋電図・神経伝導1名)
  3. 血管診療技師 1名
  4. 二級臨床検査士(循環生理学5名、神経生理学2名、呼吸生理学1名)
  5. 認定心電図専門士 4名
  6. 緊急臨床検査士 2名
  7. 認定救急検査技師 1
  8. 総合健診指導士 3名
  9. 総合健診業務管理士 1名
  10. 第2種ME技術認定試験 1名
  11. 第一種衛生管理者 5名
  12. 心不全療養指導士 1名
  13. 日本リウマチ学会登録ソノグラファー 1名
  14. ICLSコース 4名
  15. ACLS Provider 1名
  16. 初級遺伝子分析科学認定士 1名
   (2024年4月, 生理機能検査室に所属する検査技師に限る)

*検査実績(2022年度):心電図検査 約20,000件、腹部・表在超音波 約15,000件、心臓・血管超音波 約11,000件、脳波検査(ビデオ脳波含む)約2,000

心電図検査ユニット

危険な心電図を見逃さない

 心電図検査は不整脈や心筋梗塞、狭心症などの虚血性心疾患の診断に用いられています。一番馴染みのある「標準12誘導心電図」の他、24時間記録する「ホルター心電図」や運動による心電図変化を記録する「マスター2階段負荷心電図」、糖尿病の合併症である自律神経障害のスクリーニングに用いられる「RR間隔変動係数(CVRR)」なども測定しています。

超音波検査ユニット

 病変を見逃さず最適な画像を描出する

 超音波検査ユニットには、「心臓・血管部門」と「腹部・表在部門」から構成されます。超音波装置を11台設置しており、いずれも最新の超音波装置を備えております。

 臓超音波検査では、虚血性心疾患や弁膜症、心筋症の評価・診断を行い、医師が行う経食道心エコー検査の補助を行います。血管エコー検査では、頸部、上肢・下肢、腎動脈など多岐にわたる血管を観察し、拡張疾患や閉塞疾患の診断を行っています。

 部・表在超音波検査では、腹部、乳腺、甲状腺、体表、関節など幅広い領域の超音波検査を行い、専門医と連携し精度の高い画像診断の提供に努めています。さらに、フィブロスキャンという検査機器を用い、肝臓の硬さや脂肪量を数値化する肝硬度測定を行い、びまん性肝疾患の進行状態や治療効果の評価をサポートしています。

 状腺超音波検査では、悪性疑いや悪性を否定できない症例に対し、エコーガイド下で吸引細胞診検査も行っており、医師や看護師と連携し、チーム医療を実践しています。

 その他、研修医など若手医師にハンズオンセミナーを開催し、各超音波検査の技術指導を行うほか、臨床検査技師を目指す臨地実習生の指導にも取り組んでいます。

脳波・筋電図検査ユニット

電極の装着の正確さとスピードを問う                                                    

 波検査では 通常の脳波検査の他に、「てんかんセンター」と協力し、長時間ビデオ脳波検査(小児科1床、成人2床)のほか、てんかん手術に帯同し、術中脳波検査を行っています。月に一度行われている「てんかんカンファレンス」にも積極的に参加し、てんかん診療に関わる全ての職種(医師、薬剤師、看護師)と意見交換を行い、他職種と連携を深めています。また、睡眠時無呼吸症候群に対する終夜睡眠ポリグラフィー(PSG検査)にも対応しており、取り組む検査は多岐にわたります。

 電図検査では、神経伝導検査を中心に大脳誘発検査(ABRSEPVEP)や、脳神経内科医師と行う針筋電図検査などがあります。脳神経外科手術で行う術中モニタリングなど、緊迫する場面での検査を医師と連携しながら進めています。このように、医師との距離が近く、検査技術はもちろんのこと、疾病知識の向上にもつながります。

呼吸機能検査ユニット

患者さんと二人三脚で

 呼吸機能検査は主に、術前検査のほか、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺気腫といった呼吸器疾患の診断、さらには治療経過の評価にも重要な指標として用いられます。当院では、気管支喘息の診断や治療経過観察のために治療薬の吸入前後で検査し、その効果判定を行う「気道可逆試験」、「気道抵抗」の検査も実施しています。さらに、呼吸器疾患以外にも、重症筋無力症や筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった筋疾患の呼吸筋評価も行っており、幅広い診療科で検査が活用されています。

 この呼吸機能検査は正確な検査結果を報告するためには、患者さんとの協力が不可欠であり、技師の掛け声一つで得られる結果が決まってしまうといっても過言ではなく、臨床検査技師の技量が大きく問われる検査です。

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